女性の更年期と脱毛

  1. 更年期

https://www.maturitas.org/article/S0378-5122(25)00186-0/fulltext

リンク先の内容を日本語で分かりやすくまとめます。 国領きとうクリニック・院長のコメントは■ と ■の間に記載します。

ハイライト

更年期におけるホルモンバランスの変化は、毛髪の成長や特徴の変化につながる。
女性型脱毛症と休止期脱毛症は、閉経後の女性によく見られる症状です。
・前頭部線維化性脱毛症は比較的まれですが、永久的な脱毛を引き起こす可能性があります。
脱毛症の医学的治療には、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドなどがある。
その他の選択肢としては、低出力レーザー療法、多血小板血漿療法、植毛などがあります。

要旨

閉経とは月経の停止と定義されますが、閉経への移行期には、最大10年前からホルモン変動が起きえます。
■原文にはおこることがあります、となっていましたが、実際にはほぼ起こっています。 程度・頻度が人によって大きな差があります。■
閉経にかかわる期間中、アンドロゲンの相対的な増加卵巣からのエストロゲン産生の停止は、エストロゲン感受性組織である毛包に直接影響を与え
、具体的には毛髪密度の低下毛髪の太さの減少、毛髪の質感の変化などを引き起こします。 
さらに、閉経後のエストロゲンの減少は、毛包単位の代謝機能や血管機能の低下につながります。
さらに更年期、閉経後には、女性型脱毛症、休止期脱毛症、前頭部線維化性脱毛症などの特定の毛髪疾患が、より頻繁にみられます。 ■※前頭部線維化性脱毛症はかなり特徴があります、一般的にはあまり認知されておらず難治性の脱毛症と思ってください。■

 はじめに

更年期は女性の平均年齢51歳で起こり、更年期への移行は最大10年前から始まります[  ]。この移行期には、エストロゲンのレベルが低下し、アンドロゲンのレベルが上昇することがあります。これらのホルモン変化が骨密度、心血管系、乳房組織に及ぼすこと知られていますが詳細は不明です[ ]。
研究では、女性は年齢を重ねると髪の毛について心配が増えることが示されています。
女性のびまん性脱毛症の相談は30歳から59歳の間が多いとなっています。[  ]、

毛包生物学の概要

.1 毛包の構造

毛包の基本的な構造は、下部、中部、上部の3つの部分から構成されています(図1)。
→   stem cells が多いのはバルジ領域
■重要な事・・・乳頭と毛球の大きさが毛の直径を決定します。  つまり長く成長期が続けばかならず、髪は直径が大きくなります。      ※男性型脱毛症(AGA)の場合は髪の成長期が短くなり、毛包の大きさも小さくなり、周期が短くなり、髪が細くなる・・・が簡単な流れです。
かわって女性型脱毛症の場合は髪は若干細くはなっているようですが、根本的には「1穴からでている髪の本数が減っている」のが分かりやすく言う場合の流れです。■

.2 毛髪成長サイクル

毛髪は、成長期(アナゲン)、退行期(カタゲン)、休止期(テロゲン)の3つの段階があります。
成長期は男性で3~4年、女性で4~6年間続き、毛包の約85~90.6%がこの段階です。[  ,  ]。
■AGAで軟毛が20%以上あった場合に診断的価値がある、というのはこの%から推測されている、と考えられます。 多くの方が紙が抜けると大変心配されます。 しかし特別な病気、薬の関係で髪の毛が抜けている・・・という特殊な状況を除くと、髪が抜けた時はしたから新しい髪が生えてきている状態、ということができます。 新しい髪の毛は必ず細いです。 「竹」が初めて生えてきた、と想像してみましょう。はじめは直径が小さいですが、背丈が伸びてくるとだんだんと直径も大きくなっていきます。 細い・軟毛と言われる毛がその部位の20%以上認められる場合、成長期が短くなっている、と言えると思います。・・・つまりAGAが始まっている状態、と判断されます。■
退行期は約2~4週間続き、毛母細胞の分化と増殖が減少、メラノサイトによる色素産生が停止します。
これで毛幹の生成が完了です。
その後、毛髪は休止期(テロゲン期、約3ヶ月続く)と呼ばれる、比較的活動が停止または休止状態に入ります。この時期には、毛包の増殖活動と生化学的活動は最低レベルになります。
毛髪の脱落は、完全には解明されていない制御されたメカニズムによって起こる可能性が考えられています。
従来は休止期の一部と考えられていたが、Milnerらはマウスモデルを用いて、毛髪の脱落は主に成長期に起こることを実証したそうです[  ]。
毛周期の進行は、Wnt/β-カテニンおよび骨形成タンパク質(BMP)シグナル伝達経路の両方によって制御され、Wnt/β-カテニンシグナル伝達は成長を促進し、休止期から成長期へと進行する[  ]。
目次